星型のねじはトルクスねじと言う。

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アメリカ車を整備中に出会う星型のねじをご存知だろうか?これは、トルクスねじと呼ばれるもので、一般的には、ヘックスローブ、ヘクスローブと呼ばれ、アメ車整備時によく出会うボルトである。

さて、出会ったからには外したいはずのそのボルト、適切な工具を使わず、ねじを舐めれば取り返しがつきません。

無理な締緩(ていかん)は、一旦ストップしてください!

本記事では、このトルクスねじについて解説します。

最後に工具を紹介します。

トルクスねじとは?

トルクスねじは、1967年にアメリカの自動車産業からの要望で、当時のカムカー社が開発したねじです。

星型の穴が特徴であり、従来の六角穴や十字穴ねじよりも高いトルク伝達性能と締め付け強度を実現しています。

専用のトルクスドライバーを使用することで、滑りにくく、効率的に作業が進むのが大きな利点です。

トルクスねじの特徴

トルクスねじには、以下のような特徴があります。

  • 高いトルク伝達性能:形状がトルクを効率的に伝え、強力な締め付けが可能です。
  • 締め付け強度の向上:摩擦が少なく、ねじの締め付け面を傷つけにくい設計。
  • 作業効率の向上:ドライバーが滑りにくいため、スムーズな作業が可能。
  • 耐久性の高さ:外部からの衝撃や摩耗に強い構造。

これらの特性から、自動車産業や航空産業など、高い精度や耐久性が求められる分野で広く採用されています。

トルクスねじの名前の由来

「トルクス」という名称は、ラテン語の「torque(回転)」に由来します。その名の通り、高い回転力を効率的に伝える性能が評価され、広く普及しました。

開発当初は「スター・ドライブ」とも呼ばれていましたが、後に「トルクス」という名称へ統一されました。

トルクスという名称は、商標登録されている名称となり、特定の技術指導を受けなければ使用できない呼称となりますので、一般的には、ヘックスローブ、ヘクスローブという呼ばれ方をします。

トルクスねじサイズの呼び方

トルクスねじのサイズは「T」または「TX」という記号で表され、その後に数字が続きます。この数字が大きくなるほど、ねじの溝のサイズも大きくなります。たとえば、「T10」や「T25」といった表記が一般的です。このサイズ表記は、ねじの頭部の溝に合うドライバーやビットを選ぶ際の基準となります。

T型とE型が存在しますが、ねじ部が凹でドライバーが凸形状のT型が一般的となります。E型はねじ部が凸、ドライバーが凹となっています。

T型の代表的なサイズと主な用途、締め付けトルクについて次の表を参照ください。

サイズドライブ外径近いねじサイズ使用用途(例)締め付けトルク(参考値)
T10.84mmM1以下精密機器、時計~0.02 Nm
T20.94mmM1〜M1.2医療機器、カメラ内部~0.03 Nm
T31.12mmM1.2〜M1.4スマートウォッチ、精密部品~0.04 Nm
T41.30mmM1.4〜M1.6小型デバイス~0.06 Nm
T51.37mmM1.6〜M2.0ノートPC内部、SSDなど0.10〜0.20 Nm
T61.65mmM2〜M2.5家電、電子機器0.20〜0.30 Nm
T71.97mmM2.5〜M3.0家電全般0.30〜0.45 Nm
T82.30mmM3.0〜M3.5ゲーム機、携帯電話0.45〜0.60 Nm
T92.48mmM3.5〜M4.0コンピュータ内部部品0.60〜0.90 Nm
T102.72mmM4.0〜M4.5コントローラ、HDD、車内装0.90〜1.30 Nm
T153.26mmM4.5〜M5.5自転車部品、小型モーター1.5〜2.5 Nm
T203.84mmM5.5〜M6.5自転車・バイク部品2.5〜4.0 Nm
T254.40mmM6〜M8家具、工具、バイク外装4.0〜6.0 Nm
T274.96mmM8〜M10車両組立、重整備6.0〜8.0 Nm
T305.49mmM10〜M12自動車エンジン周辺部品8.0〜12.0 Nm
T406.60mmM12〜M14建設用金具、大型家具12.0〜18.0 Nm
T457.77mmM14〜M16自動車シャーシ周辺部品18.0〜25.0 Nm
T508.79mmM16〜M18トラック部品、エンジン部品25.0〜35.0 Nm
T5511.20mmM18〜M20建機、トラック大型パーツ35.0〜50.0 Nm
T6013.30mmM20以上重機、航空整備、設備機械50.0〜70.0 Nm
※締め付けトルクについては、実際のボルト規格に基づき実施ください。
※重要ヶ所については、トルクレンチを用いて、メーカ規定値での固定を推奨します。

アメリカ車での活用例

トルクスねじは、アメ車で多く使用されています。ゼネラルモーターズ(GM)やフォード、クライスラーといった大手自動車メーカーが採用しており、エンジンやサスペンション、ブレーキシステム、インテリアパーツなど、さまざまな部品に使用されています。

トルクスねじの採用により、部品の信頼性や耐久性が向上し、生産性の向上にも貢献しています。

アメ車で特にトルクスねじが使用される代表的な箇所を紹介します。

  • エンジン周り
    エンジンは車の心臓部であり、多くの部品が複雑に組み合わさっています。エンジンカバーや燃料噴射システムの部品には、T25やT30といった中型のトルクスねじが使われていることがあります。振動や高温に耐えつつ、しっかりと部品を固定する役割を果たしています。

  • 内装部品
    アメ車の内装では、ドアパネルやダッシュボードの固定にトルクスねじがよく使用されています。T10やT15といった小型のサイズが多く見られ、これにより部品を効率よく固定しつつ、メンテナンス時には簡単に取り外せるようになっています。

  • サスペンションとブレーキシステム
    アメ車のサスペンションやブレーキシステムの取り付けにもトルクスねじが活躍しています。特にT40やT50といった大型サイズのねじが使用され、これにより高い耐久性と安全性が確保されています。

内装パーツについては、T10~T40が必要となり、足回りやエンジン部品を整備する際は、更に用途に合わせた大きいサイズの準備が必要となります。

アメ車メンテナンスにおける注意点

トルクスねじは、アメ車のメンテナンスを行う際、構造が星型のため、一般的な六角ねじやドライバーでは対応できない場合があります。

トルクスねじの溝に合わない工具を使用すると、ねじの溝が削れてしまい、取り外しや締め付けが困難になることがありますので注意が必要です。

エンジン周りやブレーキシステムのような重要な箇所に限らず、トルクスねじには適切な工具を使用し、作業の安全性を確保しましょう。

トルクスねじの利便性とアメ車との相性

トルクスねじは、その設計上、力を均等に分散するため、ねじ頭部の摩耗を最小限に抑えることができます。この特性は、重量があり高トルクが必要なアメ車の部品に非常に適しています。

また、トルクスねじは作業中に滑りにくいため、整備士やDIY愛好者にも扱いやすいというメリットがあります。カムアウト現象が

アメ車のメンテナンスやカスタマイズを行う際には、トルクスねじのサイズを理解し、適切な工具を準備しましょう。

トルクスねじのまとめ(参考ドライバー類の紹介)

トルクスねじは、星型の独特な形状により、高いトルク伝達性能と締め付け強度を備えたねじです。

その特徴から、自動車や航空機など、高い精度が求められる分野で広く活用されており、アメ車の整備やカスタムを行う際には欠かせない存在です。

もしローライダーのカスタムやオーディオ交換をする際にトルクスねじを見かけたら、あの星形のねじと呼ばず、トルクスねじ(ヘクスローブ)と呼んであげてください。

トルクスねじを締めたり緩めたりする工具を、トルクスドライバー(ヘクスローブドライバー)と呼びます。

工具の準備が必要な方は参考にしてみてください。

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それではみなさん素敵なローライフを!

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